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2023.02.20 事業報告
「全国映画資料アーカイブサミット2023」実施報告

 文化庁(運営:VIPO)は「令和4年度アーカイブ中核拠点形成モデル事業(撮影所等における映画関連の非フィルム資料)」の一環として、2023年1月30日(月)にオンラインにて「全国映画資料アーカイブサミット2023」を開催いたしました。
 
 4回目の開催となる本サミットでは、従来のテーマや議論をより深化させるため、映画資料に係る様々な方にご登壇いただきました。全国の映画資料所蔵館の方をはじめ、映画宣伝デザイナーや独自の広報物を制作されている映画館のご担当者、デジタルアーカイブの事業者や法律の専門家によって、多角的な視点で映画資料のアーカイブについて紹介し、今回も多くの方にご参加いただきました。
 

開催概要

日時 2023年1月30日(月)10:30〜17:15
場所 Zoomを用いたライブ配信(主会場VIPO会議室R)
参加者 247名
参加費 無料

 

プログラム

主催者挨拶(10:30~10:40)
 
第1部報告「映画資料所在地情報検索システム(JFROL)の新たな展開」(10:40~11:00)

  1. JFROLの新たな連携・改修そして次のステップへ
      事務局/佐藤 友則
  2. 資料整理のためのデータベース管理とJFROLへの連携
      北九州市立松永文庫 学芸員 凪 恵美 氏

  • JFROLの開発から一般公開までの経緯、システムの利用方法、今年度の新たな連携(早稲田大学演劇博物館)について(事務局 佐藤)
  • 松永文庫の資料管理・整理方法の現状とJFROLへの接続に係る作業行程について(松永文庫 凪 氏)

第2部トーク「映画宣伝デザイナーの視点 映画への道しるべ」(11:05~12:05)

サイファ。 岡野 登 氏(グラフィックデザイナー)
(聞き手:国立映画アーカイブ 主任研究員 岡田 秀則 氏)

  • 映画宣伝デザインの制作事例
  • 映画宣伝に使われる主な宣材や広告媒体の種類と流れ
  • 映画宣伝におけるレタリングの重要性
  • 映画宣伝デザインと観客とのコミュニケーション
  • 現代の映画における宣伝戦略の変遷
  • デザインに対する事例の比較(邦画大作、洋画メジャー作品・インディペンデント作品)

第3部セミナー「ゲーム・舞台・音楽など隣接分野のアーカイブの動向と映画資料の著作権処理と最新潮流」(13:00~14:15)
骨董通り法律事務所 代表弁護士(日本・ニューヨーク州) 福井 健策 氏

  1. 日本のアニメ総合データベース「アニメ大全」について
  2. アーカイブ化・DXと各種の権利
  3. 所在検索サービス規定の射程
  4. 非許諾/許諾モデルの活用:舞台映像、戯曲、放送台本、音楽
  5. 著作権の潮流、著作権法改正案について

 
第4部発表「映画館の視点 映画館が独自に制作する広報物と観客とのコミュニケーション」(14:30~14:50)

  1. シアターキノ発行「MOVIE LINEUP」について
    シアターキノ(北海道・札幌市)代表 中島 洋 氏
  2. 上田映劇発行「上田映劇ジャーナル」 について
    上田映劇(長野県・上田市)編成 原 悟 氏

第5部セミナー映画資料のデジタル化に関する基礎知識 非フィルム資料(台本等)の電子化」(14:55~15:15)

ナカバヤシ株式会社 ビジネスプロセスソリューションカンパニー
図書館ソリューション営業部 林 茂和 氏

  1. 自社の事業内容について
  2. 工場および資料デジタル化に使用する機材について
  3. デジタル化の意義とメリット
  4. 本事業でデジタル化した映画資料のデータ化の工程について
  5. 映画資料をデジタル化する上での注意点や対応について

 
第6部シンポジウム「映画資料を文化的リソースに-関係者の連携強化と今後の展開」(15:20~17:00)
モデレーター:国立映画アーカイブ 主任研究員 岡田 秀則氏
パネリスト:

  • 世田谷文学館 主任学芸員 庭山 貴裕 氏
  • 北九州市立松永文庫 学芸員 凪 恵美 氏
  • 木下惠介記念館(浜松市旧浜松銀行協会)担当キュレーター 戴 周杰(たい・しゅうき)氏
  • NPO法人北の映像ミュージアム 理事長 佐々木 純 氏
  • 京都大学大学院 人間・環境学研究科 教授 木下 千花 氏

<議論のトピック>

  1. 各所蔵館紹介
  2. 映画資料の画像等の使用における許諾モデル、非許諾モデルなど権利の窓口やガイドラインついて
  3. 所蔵館間の連携と資料のデジタル化ついて
  4. 重複資料の提供と他館との情報共有について
  5. 映画資料を保存・活用していくことの意義について
  6. より広く映画資料について認識してもらうために

令和4年度事業説明(17:00~17:15)
事務局/佐藤 友則

  1. 調査報告(TOHOスタジオ、東宝映像美術、世田谷文学館、東京現像所、北の映像ミュージアム、札幌映像機材博物館)
  2. 調査研究の実証展示
  3. 映画脚本デジタルアーカイブ化実施報告(東映太秦映画村・映画図書室、松竹大谷図書館)
  4. 映画資料所在地情報検索システム(JFROL)連携拡大と一般公開実証実験開始の報告
  5. 「全国映画資料アーカイブサミット2023」の開催
お問い合わせ先

特定非営利活動法人映像産業振興機構(VIPO)
令和4年度アーカイブ中核拠点形成モデル事業事務局
E-mail: nonfilm.archive@vipo.or.jp