令和元年度文化関係資料のアーカイブの構築に関する調査研究(散逸・消失の危機にある映画関連の非フィルム資料)

事業の目的

本事業は、歴史的・文化的価値のある日本の貴重な文化関係資料が散逸・消失することのないよう、アーカイブの構築に向けた資料の保存及び活用を図るための望ましい仕組みのあり方について調査研究等を行います。
 

事業の内容

(1)調査対象の検討
映画関連の非フィルム資料について、どのような枠組みでアーカイブ構築が可能なのか、映画関係者、学識経験者、学芸員等複数の有識者の意見を踏まえ、本事業における調査対象を検討します。
 
(2)調査研究の実施
散逸・消失の危機にある映画関連の非フィルム資料の調査方法を検討した上で実施します。資料の調査に当たっては、海外および国内において現地調査を行います。調査した資料については適切な保存方法(最低3種)の実証調査を実施するとともに、活用方法等について検討を行います。
 

実施計画

(1)調査方法
A.『羅生門』製作時のキャスト・スタッフ所蔵および旧蔵の台本等を収集整理し比較検討を実施する。
B.東映太秦映画村の未整理資料を調査し『羅生門』関連資料を収集整理する。
C.『羅生門』の権利を所有するKADOKAWAに残されている資料を整理調査する。
D.製作当時の関係者の証言をビデオ映像で記録する
E.「ヴェネツィア国際映画祭」事務局等と連絡を取り、現地へ出張し現地に残されている当時の資料を調査確認する。
F.『羅生門』本編映像を本映画研究の視点で再編集する。
 
(2)保存方法
A.資料は傷みの状態に応じて修復を施す。
B.資料は必要に応じて脱酸化もしくは酸化の進行を防ぐ保存箱で保存する。
C.資料はデジタルアーカイブ化する。
D.再編集本編映像・証言記録映像はデジタル保存と共に有形の記録媒体でも保存をする。
上記4種類の中から3種類程度を実施する。
 
(3)活用方法
A.デジタル化した資料は解説をつけて資料性を高める。特に台本に関しては、そこに書き込まれた『羅生門』製作時の情報を読み解く研究を行い、『羅生門』創造の過程を解き明かす一助とすることを目指す。また、これらの台本の比較研究を行うことにより新たな映画研究手法の確立を研究する。
B.デジタル化した台本に関しては、将来の展示に備え、全ページを画面タッチ式でめくって閲覧できるようにする等、デジタルの利点を最大利用する。
C.証言記録映像は展覧会等での活用を検討する。
D.再編集本編映像は展覧会での活用を検討する。
 
(4)報告書作成
 
 

令和元年度 事業報告書

令和元年度 文化関係資料のアーカイブの構築に関する調査研究事業 報告書
 
【お問い合わせ】
特定非営利活動法人映像産業振興機構(VIPO)
令和元年度文化関係資料のアーカイブの構築に関する調査研究事業事務局
Tel. 03-3543-7531