北米最大の日本映画祭「Japan Cuts」が、7月10日から20日までニューヨークで開催されました。同映画祭で唯一のコンペティション部門である<Next Generation部門>では、優秀作品に対して、大林宣彦監督の名を冠した「大林賞」が授与されます。この「大林賞」には、受賞者の次回作制作資金に充てられる賞金が贈られますが、本年度はそのアワードをVIPOが提供いたしました。
本年度の「Japan Cuts」における<Next Generation部門>の「大林賞」受賞作品が以下のとおり決定しましたので、お知らせいたします。

【作品情報】
本作は、ぴあフィルムフェスティバル(PFF)が製作から劇場公開までをトータルにプロデュースする長編映画製作プロジェクト「PFF プロデュース」(旧称:PFF スカラシップ)の第 28 回作品として、制作されました。
https://pff.jp/jp/scholarship/
2026年2月に劇場公開決定!
脚本・監督・編集:中尾広道
撮影:俵 謙太/照明:福田裕佐/録音・整音:松野 泉/美術:塩川節子/衣装:田口 慧/ヘアメイク:根本
佳枝/助監督:内田知樹/プロデューサー:天野真弓
【出演】
渡辺大知、桐竹勘十郎、細馬宏通、田村塁希、大塚まさじ
【ストーリー】
古い町に流れる時間がまだ見ぬ景色を連れてくる
奈良県御所市に代々暮らす梅本が所有していた古民家を購入した駒井(渡辺大知)は、大阪から移住し改修工事を進めている。その様子を見に来る梅本(桐竹勘十郎)が語る昔の町や家に流れてきた時間の話が、駒井に大切な風景を思い出させる。そしてふたりの中で、旅の景色はゆっくりと広がっていく。

審査委員会からのコメント:
われわれ審査員は、中尾広道監督の『道行き』の独創的で大胆な映画づくりの視座を高く評価し、大林賞を授与することに決定しました。ドキュメンタリーとフィクション、過去と現在とその間に流れる時間、そして視覚と聴覚に働きかける要素など、さまざなものを織り交ぜたこの作品は、確かな意図と思慮深さを持って、急速な人口減少で過疎化に瀕する日本の町を描いています。控えめな表現ながら、場所やコミュニティをめぐる時間概念や世代間の文化の継承というテーマが、強い印象を残しこの作品を貫いています。これらの点において、審査員は本作が映画として完成度の高い作品であると評価しました。
その他、審査員から以下の作品に特別賞も授与されました。
☆スペシャル・メンション(特別賞)
『プロミスト・ランド』 飯島将史監督
特定非営利活動法人映像産業振興機構(VIPO)
事業企画部 担当:山田
E-mail:bpdept@vipo.or.jp