「学生のための映像セミナー」は、今年で2年目の開催で、前回の北海道、和歌山に続き今回は北九州の小倉で開催いたしました。高校生の映像制作のスキルアップを目指すため、映画学校や映像教育機関の先生からワークショップ形式で映像機器の取り扱い方法や撮影の仕方を学び、そして、実際に映像機器を用いて作品制作を体験することで、映像制作の面白さ・楽しさを実感してもらうことによって、今後の映像産業の継続的な発展につなげていくことを目的として行いました。
開催地の選定に関しては、映像に力を入れている地域から選考した。フィルムコミッションなど、映像に対する活動が盛んな地域で開催し、その地域の学生が参加することによって、映像制作を志す人が、目標達成のための制作環境及び発表のチャンスが多く有効であると考えた。北九州エリアには、映画「佐賀のがばいばあちゃん」「K-20 怪人20面相・伝」「おっぱいバレー」などロケーション協力に実績のある「北九州フィルムコミッション」があり積極的に活動している。参加高校生も、過去に制作した映像作品が、きちんと評価されている学生を選ぶことによって、セミナーのレベルの設定を行った。
今回はセミナーの対象が高校生なので、学校が休みの土曜日と日曜日しか時間が取れないので、週末の2日間でセミナーを行ないました。
映像のコンテストなどでの受賞履歴を応募時に確認することによって、受講生の質の維持とセミナーのレベル設定を行った。
地元北九州だけでなく、ほかのエリアから参加することで、人材の交流及の促進と公平な機会作りに心がけた。
映像関係の人材を輩出している実績のある教育機関の協力を得ることで、映像教育機関の先生から教材を用いて映像制作の基礎を学び、その後実際に撮影や編集を行い、作品を制作し完成させるという内容です。
NPO法人映像産業振興機構ホームページにて1月中旬より2月6日(金)まで募集。
北九州会場(小倉) | |
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開催日時 | 3月14日(土) 9:00~21:00 3月15日(日) 9:00~16:00 |
趣旨 | 映像コンテンツの土台であるシナリオの合理的かつ実際的な分析方法と作成手法を、短時間のうち把握し、利用できるようにする。 |
開催場所 | 〒802-0001 北九州市小倉北区浅野三丁目9-30 |
経済産業省、NPO法人映像産業振興機構
7校 24人参加
今回の「学生のための映像セミナー in北九州」に於いて、受講者の高校生に伝えたかったことが三つある。
一つ目は、表現すること、映像作品を作ることは、本質的には「楽しい」ことだと言うことである。映像作品を作るプロセスには、様々な困難が立ちはだかる。これはプロでも高校生でも変わらない。それでもその困難に立ち向かう為には、表現することが好きにならなければならない。そう考えて、今回のセミナーでは、「如何に楽しんで取り組めるか」をカリキュラムの最重点課題とした。
二つ目としては、チームで表現する際の、「チームワークの大切さ」を学んで欲しかったことが挙げられる。絵画や小説のような個人での表現活動ではなく、映像制作にはコミュニケーション能力の可否が求められる。自分の意志、イメージ等を明確に他者に伝えることが出来なければ、円滑な作品制作は望めない。一つの目標に向かってチームが努力することの大切さを感じて欲しかったのである。
そして最後に、表現する為の方法論は基本的に「自由である」ことを知って欲しいとも思っていた。もちろん映像制作に於いても、いくつかの基本的な法則や文法的な決まり事が存在する。これらを知識として知ることは、違和感の無い映像を制作する為には重要な要素であることは間違いない。しかし、難しい理論で高校生を縛るより、思うが侭に作って欲しい。そう考えて、今回のセミナーでは、「理屈や理論は最小限にして、まずは作らせること」を最優先にカリキュラムを組むことにした。
今回の講師は、映画テレビ業界の人材育成に実績があり、『トリック-劇場版2-』『明日の記憶』の堤 幸彦監督や『クローズドノート』『世界の中心で、愛をさけぶ』の行定勲監督などを輩出した、東放学園映画専門学校の先生にカリキュラムを組んでいただいた。特に演出部分にポイントを絞るために、役者と脚本を事前に用意して行った。
撮影時には東放学園映画専門学校の先生が巡回しつつ、なるべくは自由に撮影をさせて、必要な時だけアドバイスすることとした。早速に手際良く撮影を開始する班、監督が演出プランをじっくりとスタッフ・キャストに説明する班と、進行の仕方にバラつきはあったものの、予想以上に受講生が熱心に撮影に取り組んでいた。
完成した作品は予想以上に完成度の高いもので、受講生の技術と意識の高さに驚かされた。セミナーとしては、作品の総評を行い無事終了した。