VIPO

インタビュー

2016.10.25


コンテンツ活用の可能性を探る秋のイベント、「TOKYO DESIGN WEEK」×「デジタルコンテンツEXPO」対談
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10月末に開催する、コンテンツ業界必見のイベント。
デザインの視点でコンテンツの可能性を広げる「TOKYO DESIGN WEEK」、コンテンツの未来を創る新技術が体験できる「デジタルコンテンツEXPO」の両主催者に、VIPO事務局長・市井がインタビューしました。

(以下、敬称略)

最新技術やデザインとの融合で、コンテンツ業界の未来をつくる

コンテンツ業界が注目すべき見どころをピックアップ


市原)「デジタルコンテンツEXPO」は、日本のコンテンツ産業が強くなってもらいたいという願いのもと、イベントを開催しています。将来のコンテンツ産業発展に寄与し得る、新技術を体験できるのが特徴です。

川崎)「TOKYO DESIGN WEEK」における“デザイン”とは、アートというより“ビジネス”の要素が大きいです。デザインは利便性を高めて生活を豊かにするものなので、コンテンツとコラボレーションして新たなビジネスの芽を生み出すことができます。

市井)今回は、映像・放送・音楽・アニメ・ゲーム・キャラクター・出版といったコンテンツ業界の方々に向けて、コンテンツと親和性の高いイベントの主催者に、お話を伺います。たくさんヒントがあると思いますので、ぜひ一人でも多くの方にイベントへ足を運んでいただきたいと思います。

まずはそれぞれのイベントと、イベントにおけるコンテンツの位置づけを教えてください。

川崎)「TOKYO DESIGN WEEK」は、デザイン・アート・音楽・ファッション・フードなど幅広いクリエイティブジャンルをゆるやかに横断、融合させたクリエイティブ祭りです。国内外から企業、団体、大使館、メディア、学校、クリエイター、ミュージシャンが参加し、10万人を超える高感度な来場者に向けて、プロモーションやプレゼンテーション、テストマーケティング、ビジネスマッチングなどを東京のど真ん中で開催しています。今年のテーマは「デザインの遊園地」です。我々はデザインの祭典ですが、そこに例えば音楽コンテンツを融合させて、新たなるクリエイティブ空間を作るなど、コンテンツとの融合にも取り組んでいます。

市井)「デジタルコンテンツEXPO」はどうですか?

市原)「デジタルコンテンツEXPO」は、コンテンツ関連技術の発掘・表彰および展示、セミナーやシンポジウムなどを開催しています。
コンテンツの世界の競争力をいかにあげるか、その1つが技術であるという認識のもと、今までにできなかった表現ができるとか、今まで100時間かかった絵がたった1時間で描けるようになったとか、デジタル化で1万色表現できるようになったとか、コンテンツの世界を深く広げ、聴覚、視覚のみならず人間の五感を総動員して、こんなことまで表現できるのかという可能性を伝えるのが、我々の開催目的の一つです。ようやく試作品ができたような技術が集まっているので、コンテンツ産業の未来のヒントになると思います。また商業イベントではないので、入場は無料です。

市井)コンテンツ業界にとってアイデアの種がたくさんありそうですね。中でも特に今年見るべきポイントを教えてください。

川崎)今年の見どころは、モノと光の融合がテーマとなった「Air Tent展」です。コンプレッサーで大きなテントをつくり、全方位から見ることができるオープンエアな空間の中に、様々なものを展示・表現します。また昼と夜の表情が変わるところにも注目です。夜は映像を投影し、幻想的な空間を演出できるので、映像コンテンツ表現の新しい空間を体験してもらえると思います。

 

airtent

◆AirTent展
TOPクリエイターの競演するAIR TENT展。広大な敷地に点在する透明なバブル型テントは、360度どこからでも中が見え、夜ライトアップされると幻想的な空間が広がります。
動画

 

 


一般来場者が飲食したり、クリエイター、文化人と討論したりできるスペース「TDWソクラテスカフェ」では、新商品や新しいコンテンツの発表会を実施することもできます。イベント来場者は、入場料2,500円払っていることからもわかるように、もともと意識や感度が高く、インフルエンサーとなりうる人たちです。映像・キャラクター・音楽・ゲーム・出版のカテゴリを超えて、幅広くリーチできる場となっています。ご希望によってはプレス発表の実施など、柔軟に対応できるので、ぜひ一度会場のムードを見ていただき、この場でPRする波及効果を感じていただければと思います。

 

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◆TDWソクラテスカフェ
発想の種を持ったクリエイター・企業と来場者をつなぐカフェです。リンゴ箱を使用したカフェの中で、茂木健一郎氏をはじめとしたクリエイター・企業・学生が、トークショーやワークショップを連日開催。

 


他、インタラクティブ展や、スーパーコンテナ展にも、ヒントが転がっているのではないでしょうか。

 

interactive

◆Interactive展
来場者参加型のインタラクティブアートや、最新技術を駆使したIoT、デジタルプロダクトがここに集結。サービスを実際に体験することで製品の本質を理解し、新たなサービスの提案やプロダクトの可能性が広がります。
動画

 

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◆スーパーコンテナ展
貨物用コンテナ40FTの四角いスペースの空間を活かし、参加型のインタラクティブアートや、空間全体を彩るインスタレーションなどここにしかない空間に来場者を引き込みます。
動画

 


市井)「デジタルコンテンツEXPO」はどうでしょうか?

市原)今年はスポーツイベントで活用が期待されるコンテンツ技術を体験できます。“スポコン”という、スポーツコンテンツを100倍面白くする超臨場感映像技術展では、8KのVRシアターでバーチャルリアリティを体験したり、頭上を覆ったドームシアターで映像を見る。また自由視点映像では、スタジアムの中に何台かカメラを置いておき、視点をリアルタイムで移動できます。そうすると、あらゆる視点から、スタジアム空間を見ることができます。それを実際にデモとして体験していただけます。

 

spokon

◆スポコン技術展
スポーツコンテンツを100倍おもしろくする超臨場感映像技術展。270インチ、8KVR、ドームシアター、自由視点映像など最先端の超臨場感映像技術が体験できます。

 


市井)これは体験してもらうことで、実用化して欲しいという思いがあるのですか?

市原)そうですね。今の技術はここまで進歩していて、こういうものが実用化できるんだ、と実感してもらえると思います。また、「Innovative Technologies 2016」として、コンテンツ産業の発展に大きく貢献することが期待される技術を発掘・表彰し、来場者向けに展示・実演を行い、「Content Technology Showcase」では、企業や大学で開発された先進のコンテンツ技術を紹介します。他にも、コンテンツ技術の将来を展望するステージイベントなど、盛りだくさんの内容です。

 

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◆ホログラフィックウィスパー
超音波を用いて空中にスピーカを配置する技術について紹介します。狙った人物にのみ耳元でささやくように音を聞かせることができます。
動画

 

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◆VR体験ドーム
ヘッドマントディスプレイを使わずに、臨場感あふれる映像が堪能できるVRドームを出展します。現地でなければ味わえない体験を、ドームスクリーンによって複数人で同時に楽しめる新体感スペースです。

 

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◆床面インタラクティブ映像「タップトーク」
人が入ると映像が変化する床面インタラクティブ映像「タップトーク」の新コンテンツのデモを行います。
雪道を歩くと、足跡が残ります。

 

海外からの反応や、国際的な取り組みは?

JCS対談

「コ・フェスタ 2016」で感じる広がり

川崎)デザインウィークには、ここがどこの国かと思うくらい外国の方がいらしています。また、我々は「ワールドデザインウィークス」もやっています。世界のデザインウィークとのネットワークを世界に54か所つくったということは、つまり海外に向けた流通をもった、ということです。
外国から注目をなかなか集められないと苦労する場面があるかと思いますが、日本に呼ぶばかりではなくて、“でかけようよ”というスタンスが大切だと思います。

市原)「デジタルコンテンツEXPO」も日本にいる海外出身研究者のご家族連れなどが多く来場されています。また、私たちはアメリカのCGとインタラクティブ技術の国際学会「ACMSIGGRAPH」と四半世紀交流があり、「デジタルコンテンツEXPO」と特別賞の交換を行っています。毎年「ACMSIGGRAPH」幹部が、講演、パネルディスカッションへの登壇、特別賞の審査等のため「デジタルコンテンツEXPO」に参加されており、日本発の新たなコンテンツ技術に高い賞賛をいただいています。

市井)国際的取り組みでいうと、両イベントとも、海外発信力強化支援を目的とした「コ・フェスタ 2016」※1のオフィシャル・イベントに参加していただいていますが、参加したことで感じるメリットや、期待することなどありましたらお教えください。

市原)我々も単に技術の展示会をやっているわけではなくて、日本のコンテンツ産業の振興に寄与したい、またコンテンツ市場規模12兆円の日本で新技術が花開いてもらいたいという願いを持っているので、「コ・フェスタ」の枠組みでやらせていただくことで、コンテンツ業界の皆様に、こういう技術があることを知っていただき、すぐに使えるかわからないけれど、将来新たなコンテンツに使ってもらえるチャンスとなることを願っています。また、コ・フェスタ アンバサダー※2や在日公館向けにイングリッシュガイドツアーを行うなど、国際的な相互交流イベントを目指しています。

川崎)「コ・フェスタ」がきっかけで、他のイベントと出会える交流の場があるのも嬉しいですね。コンテンツという共通項によって、何かしら一緒にコラボレーションできると感じています。

市井)ありがとうございます。それぞれのイベント同士がつながり広がっていくことも、「コ・フェスタ」の目指している姿です。「デジタルコンテンツEXPO」のようなイベントが、「TOKYO DESIGN WEEK」と連携することによって、より多くの人達に将来実用化の可能性がある技術を見てもらったり、体験してもらったりすることができれば、両イベントにとってさらに広がりが期待できるので、ぜひ実現してもらいたいものです。

本日はコンテンツ業界の枠組みを広げ、より広く発信できる場や、コンテンツの可能性を高める技術などたくさんご紹介いただきました。2つのイベントはまさにこれから行われるので、私もぜひ足を運んで、実際に体感してみたいと思います。



 
 

<イベント概要>
 
◆ABLE & PARTNERS TOKYO DESIGN WEEK 2016◆
会期:前期 / 2016年10月26日(水)~31日(月)・後期 / 11月2日(水)~7日(月)
※11月1日(火)は終日閉場
時間:11:00~21:00(最終日11月7日のみ20:00閉場)
会場:東京都新宿区霞ヶ丘町2-3 明治神宮外苑絵画館前
料金:【当日】大人2,500円【前売】大人2,000円(ともに税込)
※その他割引詳細は、公式サイトをご覧ください。
公式ウェブサイト:http://tokyodesignweek.jp/2016/tokyo/

 


◆デジタルコンテンツEXPO2016◆
会期:2016年10月27日(木)~30日(日)
時間:10:00~17:00
会場:日本科学未来館
東京都江東区青梅2-3-6
料金:無料
公式ウェブサイト:https://www.dcexpo.jp/

 

 
注釈

※1:コ・フェスタ
VIPOの受託事業の一つであるCoFesta(コ・フェスタ:JAPAN国際コンテンツフェスティバル )は、日本が誇るゲーム、アニメ、マンガ、キャラクター、放送、音楽、映画といったコンテンツ産業およびファッション、デザイン等コンテンツと親和性の高い産業に関わる各種イベントを効果的に海外に発信するための海外発信力強化支援プロジェクト。
公式ウェブサイト:https://www.cofesta.go.jp/pc/

 

 

※2:コ・フェスタ アンバサダー
日本コンテンツ ファンである世界約40カ国・地域の留学生を組織化したアンバサダー。SNSによる情報発信や外国人消費者としてのリアルな声を提供することにより、日本コンテンツの海外発信力強化を支援している。

(取材・文 平木麻美)

 
 

kawasaki_profile

川崎 健二 Kenji Kawasaki
特定非営利活動法人デザインアソシエーション理事長
TOKYO DESIGN WEEK 代表兼クリエイティブディレクター
JAPAN DESIGN WEEK/WORLD DESIGN WEEKS創設者

  • 1986年

    インタープラネッツ設立

  • 1997年

    デザインイベント「東京デザイナーズウィーク」立ち上げ

  • 2002年

    「東京デザイナーズウィーク」NPO法人化

  • 2005年

    「デザインアソシエーションNPO」に改称、理事長就任

  • 2007年~2009年

    ミラノ・コンペティションサイト「designboom」日本版設立

  • 2005年~2008年

    日本初デザイン情報TV番組「DESIGN CHANNEL」

  • 2009年

    世界NO.1 UK発のデザインブログ「Dezeen」日本語版開設

  • 2010年

    デザイン&アートのオピニオンTV番組「TOKYO AWARD」
    (現「TOKYO DESIGN WEEK.tv」(BS日テレ))放送開始(テレビ東京)

  • 2015年

    (株)インタープラネッツを、TOKYO DESIGN WEEK株式会社に社名変更

ichihara_profile

市原 健介 Kensuke Ichihara
一般社団法人デジタルコンテンツ協会 専務理事

  • 1986年

    通商産業省(機械情報産業局、中小企業庁、基礎産業局)

  • 1992年

    防衛庁(装備局)

  • 1994年

    通商産業省(工業技術院)

  • 1996年

    日本貿易振興会(パリセンター)

  • 1999年

    通商産業省(大臣官房、通商政策局)

  • 2001年

    内閣府(政策統括官(科学技術政策担当)付 )

  • 2003年

    経済産業省(産業技術環境局、商務情報政策局)

  • 2007年

    内閣府(沖縄総合事務局経済産業部長)

  • 2009年

    独立行政法人日本貿易振興機構(産業技術部長、機械・環境産業部長)

  • 2012年

    国立大学法人東京工業大学(大学マネジメントセンター教授)

  • 2014年

    一般財団法人デジタルコンテンツ協会 専務理事


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