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2018.12.12 事業報告
「映画プロデューサー養成セミナー 基礎編」全4回 開催報告

2016年、2017年と好評を博した「映画プロデューサー養成セミナー 基礎編」を11月7日、12日、19日、28日の全4回の日程で開催しました。講師は映画監督であり早稲田大学名誉教授の安藤紘平氏、第4回講義のゲストは映画監督の三島有紀子氏。
 
早稲田大学名誉教授の安藤紘平氏受講者は、映画・TV・アニメなど映像コンテンツのプロデュース・企画の実務に関わる方の他、「プロデューサー」職に興味がある映像以外のコンテンツ業界の方の受講もありました。
 
全4回の講義では、映画の基本となる、企画の立て方・書き方、プロットの書き方、脚本の仕組みと構成理解、台詞の重要性、予算の立て方などをレクチャー。最終回では、『幼な子われらに生まれ』や最新作『ビブリア古書堂の事件手帖 memory of antique books』の三島有紀子監督をゲストに迎え、映画監督からみた映画プロデューサーの仕事について、現場のエピソードなど交えて講義いただきました。
 
また最終日の講義終了後に開催された懇親会では、安藤先生・三島監督を交え、受講者による活発な意見交換と交流が行われました。
 
終了後のアンケートでは、受講者のみなさまから「有益」で「満足」度の高いセミナーとのご回答をいただきました。
 

【開催内容】

プログラム&日程

2018年11月7日、12日、19日、28日  18:30~21:30(18:00受付開始)
 
●第1回:11月7日(水)「プロデューサーとは何か、企画の立て方・書き方」
プロデューサーの仕事、求められる資質と能力、また映画製作の流れと日本映画産業の現状・マーケットの構造についてレクチャー。企画の立て方のポイントとして、作品のクオリティから公開規模までの想定や、企画書・あらすじの書き方も説明。
 
●第2回:11月12日(月)「脚本の書き方・読み方、映画の始まり方、オープニングとエンディング、キャラクター」
映画脚本の基礎知識、脚本の基本構造やストーリーラインについてレクチャー。監督や脚本家と議論して映画製作を進めていくために、プロデューサーが脚本を読みこなす重要性や、実際の作品の脚本を紹介しながら脚本の書き方と構造を説明。
 
●第3回:11月19日(月)「脚本の分析とプロデューサーの意図 脚本のスケールと映画のスケール」
第2回に引き続き、脚本について、ストーリーラインとプロットポイントの作り方、魅力的な台詞についてレクチャー。また映画本編制作の予算について、邦画超メジャー作品や中規模作品をモデルケースに、予算項目をそれぞれの目安となる金額で説明。映画制作の裏側のリアルに迫った数字が提示されました。
 
●第4回:11月28日(水)「映画化までの準備と予算 映画『幼な子われらに生まれ』における実際」
前半は、映画本編制作のプリプロダクション・ポストプロダクションの流れ、進化するデジタルテクニックについて説明。また、ヒットする映画のタイトルのつけ方や、大中小3つのヒット規模による公開後の資金回収まで映画収支の読み方を説明しました。
後半は、三島有紀子監督が登壇。安藤先生と対談形式で、監督から見たプロデューサーの役割、現場での製作秘話などをお話ししていただきました。
 

受講者の声 VIPO実施アンケートより
  • プロデューサーの具体的な役割や重要なポイントを一通り学ぶことができた。活かせる知識を得ることができた。
  • 予算や収支について学べたので実践できる。
  • 楽しく学ぶことができ、映画がさらに好きになりました。
  • 映画、映像の企画を検討するときの指針になる。
  • 採算性と芸術性のバランスをうまくコントロールするよう心掛けていきたい。

 
【受講対象者】将来の映画産業を担うプロデューサー/コンテンツ業界でプロデューサー志望の人
【参加費】(全4回) 一般40,000円(税込)/ VIPO会員20,000円(税込)
【受講者】18名 
【会場】特定非営利活動法人映像産業振興機構(VIPO)ホールL/R 東京都中央区築地4-1-1 東劇ビル2階
 

【講師紹介】

早稲田大学名誉教授 安藤紘平氏

1944年生まれ。1968年、早稲田大学理工学部卒業。同年TBS入社、事業局・メディア推進局局次長などを経て、2004年退職。2003年、早稲田大学客員教授を経て、2004年から早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授。日本映画監督協会国際委員。大学在学中から劇団天井桟敷に所属、映像作家として活動。1969年、電子映像を使った日本初のフィルム『オー・マイ・マザー』でオーバーハウゼン国際短編映画祭入選、同作品は米国ゲッティ美術館、横浜美術館などに収蔵。1994年、ハイビジョン撮影を35ミリフィルムに変換した『アインシュタインは黄昏の向こうからやってくる』で、ハワイ国際映画祭銀賞特別賞、国際エレクトロニックシネマフェスティバル・アストロラビウム賞を受賞。その他、作品、受賞歴多数。デジタル、ハイビジョンに先鞭をつけた映画作家として世界的に著名であり、2001年にはパリで安藤紘平回顧展が開催された。ほか『息子達』『フェルメールの囁き』がある。
 

映画監督 三島有紀子氏(第4回のみ)

三島有紀子大阪市出身。大学卒業後にNHK入局、多くのドキュメンタリー作品を監督。
2003年、劇映画を撮るために独立し、2009年に『刺青〜匂ひ月のごとく〜』で映画監督デビュー。
『しあわせのパン』『ぶどうのなみだ』と、オリジナル脚本・監督で作品を発表。同名小説を上梓した。
企画から10年かけた『繕い裁つ人』、そして『少女』を立て続けに発表。
2017年『幼な子われらに生まれ』が第41回モントリオール世界映画祭で、最高賞のグランプリに次ぐ審査員特別グランプリを受賞。
最新作は11月1日に公開された『ビブリア古書堂の事件手帖 memory of antique books』。
去る11月26日にELLEシネマアワード2018のベストディレクター賞を受賞した。
 

【お問い合わせ先】

特定非営利活動法人 映像産業振興機構(VIPO)
担当:本間・村川・木元
Tel:03-3543-7531  Email:seminar@vipo.or.jp

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