2026.03.27 実施報告
【舞台挨拶報告】3/24実施「ndjc2025」4作品上映&舞台挨拶に若手監督と出演者らが登壇 東京・大阪・名古屋での劇場公開も決定

文化庁委託事業「ndjc:若手映画作家育成プロジェクト2025」
3/24実施 4作品上映&舞台挨拶に若手監督と出演者らが登壇
東京・大阪・名古屋での劇場公開も決定!


VIPO(ヴィーポ)は、文化庁委託事業「ndjc:若手映画作家育成プロジェクト2025」において、今年度の製作実地研修で完成した短編映画4作品の「合評上映会」を3月24日(火)に開催しました。 
 


左より、監督(井 俊、中田江玲、八代夏歌、鴨林諄宜)、安藤親広スーパーバイザー

 
【合評上映会 実施概要】
日 時:3月24日(火) 開演:13:30
場 所:東劇(東京都中央区築地4-1-1 東劇ビル3F)
 
登壇者・司会者(敬称略):
井組> 井 俊(つじい・しゅん)監督、辻 陸(つじ・りく)
<中田組> 中田江玲(なかだ・えれ)監督、伊藤 歩(いとう・あゆみ)
<八代組> 八代夏歌(やしろ・なつか)監督、大和奈央(やまと・なお)、小方蒼介(おがた・そうすけ)
<鴨林組> 鴨林諄宜(かもばやし・ともなり)監督、平埜生成(ひらの・きなり)
・田村順也(文化庁 参事官 芸術文化担当付 ちもここで終わりにするのではなく、このご縁を大切にしながら引き続き彼らを支えていきたい。
・安藤親広(ndjc2025スーパーバイザー)
・松谷孝征(特定非営利活動法人映像産業振興機構VIPO理事長)
・司会:伊藤さとり
 
上映されたのは色とりどりの才能とみずみずしい感性が感じられる、珠玉の4作品。上映後には舞台挨拶も実施されました。
 

舞台挨拶レポート/作品紹介

◆監督: 井 俊(TSUJII Shun)※ツジは一点しんにょうが正式表記
◆作品:『36万リットルのオーバーフロー』

 
本作の着想について、井監督は自身がアルバイトをしていた経験がきっかけだったと明かす。「プールで何か撮れないかなと考えていたタイミングでndjcの募集があり、プールを舞台にした物語を描いてみたいと思った」と振り返った。
また監視員でありながら泳ぎが苦手な主人公・福呂のキャラクターについては、「アルバイト中に、水ですべって転び、大量に血が出たことがあって。ひとりで何をやっているんだろう…という誰かに言うほどでもない感情から、福呂というキャラクターをつくりあげた」と語った。
一方、主演の辻陸は撮影直前に脚本から大幅にセリフが削られ当初は戸惑いもあったという。しかし井監督から「福呂は水平線に停滞している船のような存在。周りのキャラクターが強い波を起こすので、それに身を任せればよい」とアドバイスを受けたとのことで、「それまでキャパオーバーだったが、その演出が役に立った」と感謝の思いを述べる場面も見られた。
 

誰かを思った自分の想いに関係なく、その誰かの人生は流れていく。
会社を辞めプール監視員のバイトをしながらイラストレーターを目指す主人公。仲のいい10年監視員の先輩、プロ競泳を目指す女子体育大生、就活前のギャル女子大生などがおり、単調だが平和な日々。そんな中、元プロ志望の男性客が来るようになったことでその日常に変化が訪れる。
 
○作家推薦:東京藝術大学大学院映像研究科映画専攻
○制作プロダクション:Episcope
○出演:辻 陸/朝木茉永/近藤フク/松永 澪
○2026年/29分/カラー/16:9/©2026 VIPO
 
>>井 俊監督プロフィールはこちら

 
◆監督: 中田江玲(NAKADA Ere)
◆作品:『繰り返す女』

 
近年のトレンドである「シスターフッド」からはあえて逆行し、「連帯できない二人の女性」を描くことから出発したという中田監督。「協調性を持たない人物同士だからこそ、自分の欲望や情熱をそのまま相手にぶつけていく。その滑稽さや、愛らしさを描きたかった」と制作意図を明かした。
脚本については「ト書きをたくさん書く」ことを意識していたといい「青山真治監督の『ユリイカ』を読んだ際、『ト書きって、こんな小説みたいに書いていいんだ』と気づいたことで自分の書き方も変わった。セリフが少ない分、情報を補うためにト書きを重視して書こうと決めた」と明かす。
一方、劇中でセリフがほとんどない難役に挑んだ伊藤歩は、中田監督の演出について「表情で説明しすぎないよう細かくチューニングしてもらった。最初は自分の芝居がダメなのかと傷ついたりもしたが、完成した映像を見てその意図を理解できた」と振り返り、「才能のある監督なので全て委ねることができた」と信頼を寄せた。
 

孤独の手ざわりを確かめて
人の持ち物を衝動的に盗む癖がある野田貴子。ある日、苦手な同僚・木村燈の手鏡を盗んだ瞬間を、本人に目撃されてしまう。しかし木村は、問いただすことなく、その場を立ち去った。予想外の反応に戸惑った野田は、次第に木村の存在を強く意識するようになる。
 
○作家推薦:PFF
○制作プロダクション:DOTS&LINE
○出演:伊藤 歩/田中麗奈/今本洋子
○2026年/30分/カラー/ヨーロピアンビスタ/©2026 VIPO
 
>>中田江玲監督プロフィールはこちら

 
◆監督: 八代夏歌(YASHIRO Natsuka)
◆作品:『うねうねとまっすぐ』

 
発想のきっかけについて八代監督は、「恋愛関係ではないけれど、2人だけが通じ合い、潜在的に惹かれ合っていく関係性を描きたいと考えたことから着想した」と解説。
登場人物の造形については自分の体験が反映されており、「タイ行きの飛行機の中で、自分のうねった髪に視線を感じたことがあった。そのとき、こういう髪をした主人公の映画があったら面白いのではないかと思ったことが、キャラクターの着想につながっている」と振り返る。さらにタイトルには、「うねうねとした複雑な思いを抱える少女が“素直”という名の少年と出会うことで、最終的にまっすぐ前に進めるようになる」という意味が込められていると明かした。
また、キャスト陣も八代監督の人物像に言及。大和奈央は「アイデアが豊富で、年齢が1つしか変わらないとは思えないほど指示が的確だった」と語り、小方蒼介も「大人びた一面と無邪気な一面のギャップが魅力的だった」と評するなど、現場での信頼関係の強さがうかがえた。
 

あてもなく自転車を漕いでいた
田舎に住む天然パーマの高校生まるのお弁当はいつもホットケーキ。そこには密かに抱えている家の問題が関係していた。ある日、都会から直毛男子の素直が転校してくる。さらにまると同じバイト先で働き始め、二人は一緒に帰るようになり……。
 
○作家推薦:PFF
○制作プロダクション:ポトフ
○出演:大和奈央/小方蒼介
○2026年/30分/カラー/アメリカンビスタ /©2026 VIPO
 
>>八代夏歌監督プロフィールはこちら

 
◆監督: 鴨林諄宜(KAMOBAYASHI Tomonari)
◆作品:『巡り巡る果て』

 
これまで鴨林監督が自主映画制作において抱いてきた「現実に起きる事件や事故に映画はかなわないのではないか。映画は偽物なのではないか」という思いを出発点として生まれたという本作。その葛藤を踏まえ、物語の中に“本物”と“偽物”を組み込む試みがなされている。
劇中では、登場人物の背景情報をあえて削ぎ落とし、観客の想像力に委ねる演出を徹底。また、平埜生成をはじめとする俳優陣には、「悲しみを悲しそうに演じないこと」「説明的な演技から距離を置き、わかりやすさから離れた演技をすること」といった演出が与えられたという。こうした抑制された表現により、観客自身の想像力を刺激する作品となっている。
一方、主演を務めた平埜は、現場での監督の印象について、「動かない鳥」として知られるハシビロコウのようだったと語る。「たたずまいが巨匠のようで、静かに現場を見守り、一切の迷いがない」と称賛した。また同時に、「監督は驚くほど柔軟で、自身の考えに固執することなくキャストやスタッフの意見を積極的に取り入れ、演出を変化させていく姿勢に感銘を受けた」と明かした。
 

それでも、まっすぐ、歩んでいく
関東近郊にある昔ながらのカメラ店。店主の杉原文雄と従業員の深谷稔は、実の親子のような関係を築き支え合ってきた。そんなある日、文雄の息子であり写真家を目指して出て行った杉原貴一が帰ってくる。貴一の存在が稔の居場所を少しずつおびやかしていくことに…。
 
○作家推薦:福井映画祭実行委員会
○制作プロダクション:東映シーエム
○出演:平埜生成/楽駆/酒向 芳
○2026年/30分/カラー/アメリカンビスタ/©2026 VIPO
 
>>鴨林諄宜監督プロフィールはこちら

 

◆「ndjc2025」スーパーバイザー 安藤親広氏 コメント
4作品の上映終了後、ndjc2025でスーパーバイザーを務める安藤親広は、ndjcが20周年を迎えたことに触れながら、「長い年月の中でトライ・アンド・エラーを重ね、本プロジェクトは着実に熟成されてきたのだと感じた。今回初めて参加したが、非常に素晴らしく、贅沢な育成システムだと思う。今回の4名の監督たちは、本作を名刺代わりに今後映画業界と向き合っていくことになる。私たちもここで終わりにするのではなく、このご縁を大切にしながら引き続き彼らを支えていきたい。本プロジェクトが今後も長く続いていくことを心より願っている」とメッセージを送った。

 

劇場情報


©2026 VIPO

東京・大阪に続いて、名古屋でも!全国3都市にて上映決定!
 
【劇 場】 恵比寿ガーデンシネマ 《東京》
《期 間》 4月24日(金)~30日(木)
《上映時間》連日18:30~
《舞台挨拶》上映後舞台挨拶予定(20分程度)※4/26(日)を除く
《料 金》 特別興行料金(4作品まとめて上映)
一般:1,300円/シニア・大学生:1,100円
高校生・中学生・小学生・幼児(3歳~):1,000円
※各種割引適用外
・恵比寿ガーデンシネマ劇場公開情報@ndjc公式サイトは[こちら]
 
【劇 場】 テアトル梅田 《大阪》
《期 間》 4月24日(金)~30日(木)
《舞台挨拶》 4月26日(日)16:00の回上映後
《料 金》 特別興行料金(4作品まとめて上映)
一般:1,300円/シニア・大学生:1,100円
高校生・中学生・小学生・幼児(3歳~):1,000円
※火曜・木曜TCG会員:1,200円
・テアトル梅田劇場公開情報@ndjc公式サイトは[こちら]
 
【劇 場】 ミッドランドスクエア シネマ 《名古屋》 上映館追加!!
《期 間》 5月22日(金)~28日(木)
《時 間》 連日18:30~
《舞台挨拶》 5月23日(土)18:30の回上映後
《舞台挨拶》 5月23日(土)
《料 金》 特別興行料金(4作品まとめて上映)
一般:1,300円/シニア・大学生:1,100円
高校生・中学生・小学生・幼児(3歳~):1,000円 
・ミッドランドスクエア シネマ劇場公開情報@ndjc公式サイトは[こちら]
 
 

ndjc(New Directions in Japanese Cinema):若手映画作家育成プロジェクト

優れた若手映画作家を公募し、本格的な映像製作技術と作家性を磨くために必要な知識や技術を継承するためのワークショップや製作実地研修を実施すると同時に、作品発表の場を提供することで、次代を担う長編映画監督の発掘と育成を目指しています。
https://ndjc.bunka.go.jp/
公式X:@ndjc_project

 

お問い合わせ先

特定非営利活動法人映像産業振興機構(VIPO)
ndjc事務局
Email:ndjc@ndjc.bunka.go.jp