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インタビュー

2024.03.28


アジア初開催!「カンヌ監督週間 in Tokio」 アーティステック・ディレクター ジュリアン・レジ氏インタビュー 〜「監督週間」が求めるものと新たな挑戦をするすべての映画監督たちへ
「カンヌ国際映画祭」の独立部門で、フランスの映画監督協会が運営する「カンヌ監督週間」。
2023年12月、VIPOはこの「監督週間」と結んだコラボレーション契約の一環として「カンヌ監督週間 in Tokio」を開催しました。
イベントの開催にあわせ、「カンヌ監督週間」の現アーティステック・ディレクターであるジュリアン・レジ氏も来日。この映画祭にかける強い思いと、いま見つけ出したいと思っている“新しい表現のスタイル”をもつ監督像についてお話しいただきました。
(※このインタビューは2023年12月「カンヌ監督週間 in Tokio」開催時の来日中に行われました。)

 

聞き手/吉田佳代 VIPO「カンヌ監督週間 in Tokio」総合プロデューサー

貫かれてきた“競わないセレクション”というスピリット

ジュリアン・レジ氏プロフィール
 
吉田佳代(以下吉田)  ようこそ、日本にいらっしゃいました。
まずは、当サイトの読者に向けて、まずはジュリアンさんの経歴からうかがわせてください。
 
ジュリアン・レジ氏(以下、レジ)  日本にご招待いただきありがとうございます。VIPOに感謝いたします。私は、2010年よりディストリビューターとしてのキャリアを約10年間積み重ねて参りました。
カプリーチ・フィルム社のディストリビューション部門のヘッドとして働き、セールス部門のマネジメントも担当していました。その間、フランス国内に限らず多くの優れた監督たちと協力し、国際的な舞台のサポートもおこなってきました。アルベール・セラ、ペドロ・コスタ、ワン・ビン、諏訪敦彦、アルベルト・フェラーラ、ホン・サンス、ツァイ・ミンリャン…。こうした監督たちは、私がかかわってきたほんの一例で、他にも数多くの監督と仕事をしてきました。
 
また、ディストリビューション業務の一環としては、溝口健二監督の8本の映画をフランスで配信するなど、クラシック(古典)映画の配給もおこなっていました。溝口作品は1950年代の作品で、他にもゴダール、シャンタル・アケルマン、ダグラス・サークなど、数々の古典映画の監督作品にも携わりました。
 
さらにはソ・フィルムという映画雑誌で映画評論を書いたり、ソ・フィルム映画祭のプログラミング・ディレクターを務めたりもしていました。フランスの西、ナントで2015年より開催されたこの映画祭は、映画業界のみならず、文学や他のアートの分野からもさまざまな方に参加いただき、“クリエイト・バランス”というかたちで、異なる国や時代の作品を一緒に観賞する機会を提供しました。まさに、フランスのシネフィルfを祝福する場となったのです。
 
「カンヌ監督週間」がうまれた経緯
 
吉田  では、改めてになりますが、カンヌ国際映画祭から「カンヌ監督週間」がうまれた経緯をお話しください。
 
レジ  「カンヌ監督週間」が創設された経緯には、政治的な要素が大きく影響しています。
 
1968年のフランスでは、工場で大規模なストライキが発生し、学生たちはデモを繰り広げていました。この年、一部の映画監督や学生たちのなかに「カンヌ映画祭もボイコットしよう」とする動きが生まれ、結果的にこの年の映画祭は開催されなかったのです。
 
その後、フランスの一部の監督たちが「Association des Realisateurs des Films」として知られる組合を創設しました。これは、映画監督のための組合であり、監督たちのメリットを守るための組織です。自分たちの新しいシェルター、そして新しい形式の映画を求めていた監督たちは、この組織の中で、カンヌ映画祭のセレクションとは異なる作品を選ぶ「監督週間」を考えたのです。
 
吉田  そうした経緯からも、カンヌ映画祭とはまた異なる志が「カンヌ監督週間」にはありそうですね。
 
レジ  はい。初めはカンヌ映画祭にセレクションの変更を依頼したものの、断られたのだそうです。その際、カンヌ映画祭は独自のセレクションを作ることを提案し、それが「カンヌ監督週間」の誕生となりました。
 
そうした経緯もあって、「カンヌ監督週間」は、“競争のないセレクションである”というスピリットを持っています。映画や監督のヒエラルキーを排除するだけではなく、短編、中編、劇場用映画といった区別なく、あらゆる種類の作品をセレクションの対象にしています。ドキュメンタリーやフィクション、予算が大きい作品や小さい作品もあらゆる形態の作品を上映し、サポートすることが「カンヌ監督週間」の目標です。
 
監督たちが自発的にはじめた映画祭だからこそ、監督たちがセレクションのスピリットを共有し、監督同士で友情をはぐくみ、世界中の監督に出発点を与えることを目的としているのです。
 

監督同士が出会い、対話し、経験を分かち合う場に

「カンヌ映画祭」とほかの映画祭との違い
 
吉田  「カンヌ監督週間」と「カンヌ映画祭」や他の映画祭との実質的な違いはどのようなものですか?
 
レジ  今お話したとおり、私たちは“競わないセレクション”を標榜しています。ですから、カンヌ映画祭をはじめ他の多くの映画祭とは、そのスピリットから大きく異なっていると思います。
 
パブリックに広く開かれたものであり、受け入れる作品のフォーマットも非常に幅広いです。大手映画会社からの作品から独立系制作会社の作品、ジャンル映画やアニメーション映画も区別なく、平等に扱いたいと思っています。まずはこの点が、他の映画祭との大きな違いであり、セレクションにおいて門戸を拡げている理由です。
 
特に焦点をあてているのは、新しいシネマトグラフィック・ランゲージを持つ作品です。
これまでもみなさんにお話しをする際、私はこの点を繰り返し強調しています。なぜなら、私たちがこの映画祭に求めているのは、「新しい表現のスタイル」を持つ作品を発見することだからです。

 
吉田  「新しい表現のスタイル」とは、具体的にどのようなものですか?
 
レジ  フランス語には的確な表現がないのですが、英語では「specific writing」と言い表せます。ここでの「writing」は脚本を意味するものではなく、“イメージ”と“サウンド”を指しています。
 
昨今の映画は社交的行動に必要なだけではなく、極端に言えば、単なるマス・エンタテイメント的な存在でもありません。映画を制作するうえで、もちろん監督は政治的な立場をはっきりさせる必要がありますが、私はこの“writing”、イメージとサウンドの表現に立ち戻りたい。そのような場が、「カンヌ監督週間」には必要だと思っています。
 
「監督週間」が目指しているもの、映画作品にはpoetry=詩編が必要。
 
吉田  ジュリアンさんは、「カンヌ監督週間」のアーティステック・ディレクターに今年(2023年)初めて就任されましたが、この仕事はあなたにとってどのような意味を持っていますか? また、あなたが監督週間で目指しているものはなんでしょう?
 
レジ  私はまず、インディペンデントな監督たちの作品に焦点をあて、彼らの才能を輝かせたいと考えています。
 
同時に、すでに業績を残している私の好きな監督たちにも注目をしてもらい、カンヌの映画監督たちのコミュニティの存在を確認してほしい。若手が目上の監督と出会い、対話し経験を分かち合う。そして何より、彼らが共に映画について語り合える場を築きたいと思っています。
 
また、何よりも大切なのは、メジャーな映画祭とは異なることをすることです。
私が好きな映画、今日消えつつある映画、日の目を見るのが難しい映画、配給に苦労し劇場に足を運ぶ顧客の獲得に苦労している映画に光をあてたいのです。こうした“苦労”をしている映画をカンヌに持ち込み、その映画の監督たちが新しいパートナーを見つけられるようにしたい。そのことによって、作品が広く世界中に知れ渡ることを願っています。
 
吉田  そのための構想や、すでに動きはじめていることはあるのですか?
 
レジ  「ジャンル映画」を再びカンヌに持ってきたいと考えています。
日本の映画を例にすると、ファンタスティック映画やフィルム・ノアールなど、日本には独特の作品があります。こうした日本映画は本当に美しかった。ところが残念なことに、ジャンル映画の制作は減少の一途をたどっています。
 
私は、こうした繊細で、細部にまで配慮が行き届いた映画を、再びカンヌに持ってきたいのです。
日本だけではなく、このようなジャンル映画は世界中にあります。韓国でもジャンル映画の製作は盛んですし、アメリカや他の国々でも同様です。
 
私たちに必要なのは、ある種のpoetry=詩編です。それをカンヌにもたらし選択し、守りたいのです。
ディストリビューターとしてだけではなく、今の私の立場で光をあてていくことで、こうした映画が今後も存続していく助けになると思っています。
 

 
 

「誰よりも映画好き」な監督を見いだしたい
 
吉田  日本のみならず、アジアにとっても初めての「カンヌ監督週間」が今回東京で開催されますが、その意義についてお話しいただけますか? なぜ、アジア最初の開催都市として東京を選んだのでしょう?
 
レジ  日本映画とは長い関係があること。
それが、「カンヌ監督週間」を日本で開催しようと考えた最初の理由です。
 
私の好きなアジアの監督のなかには、「カンヌ監督週間」で脚光を浴びた日本人監督もいます。
東京がアートに対して敏感な都市であることも重要なポイントでした。
 
また、世界中の多くの監督が、日本を訪れることを喜び、心地良く滞在ができ、それらの場所を気に入る理由として、文化的な背景もあるでしょう。日本に来ると、自分が歓迎されていると感じるでしょうし、映画の観客が多いことも感じ取れます。
ですから、東京にはまだ大きなインパクトがあり、国際的な舞台としてのイメージもあるのです。
 
私にとって、東京で監督週間を開催することは自然なことであり、これを機に、日本映画との新しいコラボレーションも築いていきたいと考えています。
 


「カンヌ監督週間 in Tokio」のオープニングの様子

 
吉田  先ほどおっしゃっていた“若い才能”を、日本でも見いだしたいと?
 
レジ  そうです。
ただ、私は、日本で新しいミゾグチ(溝口健二監督 1898~1956年)を見つけたいと思っているわけではありません。それには、意味がない。けれど、昔の映画を愛し、理解できる人物であることは重要です。
 
私はどこへ行っても「私たちが探し出さなければならない監督は、誰よりも映画好きであること」というメッセージを必ず伝えています。言い換えれば、昔の監督を詳しく知ろうとし、昔の映画の言語を理解しようとする監督です。その上で新しく力強い映画言語や表現を発明することが重要であるし、そのようなことができる監督を見いだしたいのです。
 
吉田  ジュリアンさんは、日本の監督の作家性(アーティスティック)、ユニークネス(独自性)をどう考えていらっしゃいますか?
 
レジ  幽霊やヤクザの物語、侍モノといったジャンル映画が、私の好きな日本の作品です。
「昔の」日本映画はtransgressive=罪深い映画でした。日本人の監督たちは、社会的なテーマや性的なテーマを扱わせると、最高にtransgressive な監督たちだったのです。
 
吉田  Transgressive ?
 
レジ  そうです。とてもTransgression=刺激的、挑発的とも言えますね。
 


「カンヌ監督週間 in Tokio」の作品ラインナップ

 

平井敦士監督の『ゆ』は委員のみんなが共感し、すぐに招待が決まった映画

『ゆ』はどう選出されたのか?
 
吉田  今回上映作品として選ばれた短編作品『ゆ』と平井敦士監督について、話していただけますか? どのようにしてこの作品を見いだされたのでしょう?
 
レジ  『ゆ』は、他の応募作品と同じように提出され、私たちの委員の一人が見つけたことから始まりました。「非常におもしろい作品を見つけました。とても感動的で、銭湯へ誘ってくれるような繊細さがあります」「とても素晴らしく、映画を見ながらキャラクターに心を寄せることができました」とコメントされていました。そこで、みんなで作品を見て共感し、後にダミアン・マニヴェル*の制作であることも知ったのです。日本の監督作品だからといってフランスの制作会社が作品のうしろに存在していても、他の応募作品となんら区別なく見せていただきましたが。
*ダミアン・マニヴェル:フランスの監督。平井敦士監督は彼のもとで助監督をしながら映画を学んだ。『ゆ』のプロデューサー
 


© MLD FILMS

 
吉田  最初に発見したのは、委員のどなたかだったのですね? ジュリアンさんではなく。
 
レジ  はい。1400もの映画が海外から送られてくるので、3月の1ヵ月だけで私がすべてを見るのはとても無理な話です。
 
吉田  確かに不可能ですね。では、みんなで手分けして見るのですね?
 
レジ  はい。私はアーティステック・ディレクターの立場ですから、みんなの後ろで控えている必要もあります。そのため、選定委員のメンバー間である程度の話し合いがおこなわれ、pour(賛成)かcontre(不賛成)か決めてもらいます。そうすれば私は、新鮮な気持ちでpour(賛成)作品を見ることができますし、メンバーから聞いた作品の話をより理解し、選ぶべきか否かの判断できるのです。
 
吉田  では、『ゆ』もそのような過程を経て、選ばれたわけなんですね。
 
レジ  すべての作品が、必ず選定委員メンバーの一人によって観賞されています。その中で気に入った作品、よいと思った作品があれば全員であらためて観賞し、全員で審査します。
 
『ゆ』は、作品の入手が遅かったため、映画を見たのもセレクションを決める時期の最後の方でした。しかしすぐに気に入られ、この作品を見た後わずか数日で、カンヌに招待することが決定しました。
素晴らしい作品だったので、この決断は、私たちにとって容易なものでした。
 

選ばれるための魔法はない。“作品を提出する”それだけでいい

選定期間の最後に作品を提出するのは間違い
 
吉田  今後、「カンヌ監督週間」に選ばれたいと願っている監督に、アドバイスはありますか?
 
レジ  まず、選定の過程についてですが、多くの監督は自分の作品の提出を期限の最後まで待つ傾向があります。「最後の方で見てもらった方が、自分の作品が選ばれるチャンスが大きいだろう」と考えるからです。しかし、最初に見た作品より、最後に見た作品の方が選定委員の記憶に残りやすいと考えるのは、思い違いです。
 
選定のベストな期間は、9月から2月までの間です。選定のプロセスに入るかなり前に映画を見ることが重要なのです。なぜなら、2月以降まで待つと、プロセスが複雑になるからです。
これは、私から監督のみなさんにお伝えできる良いアドバイスだと思いますよ。
 
吉田  多くの監督が思い違いをしているのですね。他にはありますか?
 
レジ  映画を提出する際、作品の意図を短いノート(趣意書)にまとめてあると良いと思います。
このノートがあることによって、監督の思考や脚本の構造が理解しやすくなり、結果として、制作意図と作品の間の一貫性のレベルが評価できます。
 
逆に「この監督は混乱している」とわかることもありますし、作品と意図が完全に一致していなくても、それを実現したいと努力していることがわかる場合もあります。
 
完全な映画ではなく“新しい試み・トライする姿勢がある作品”
 
レジ  ただし、私は決して“完全な映画”を見いだしたいと思っているわけではありません。
新しい試みをしている監督を見いだしたいですし、パーソナルで、真摯で、詩情豊かな作品に興味をもっています。大切なのは、成功を追い求めることではなく、トライする姿勢だと考えています。
 
ですから、これはプロデューサーに言いたいことなのですが、「大きくない作品」であることを理由に、作品を監督週間のチームに送ることを躊躇しないでください。我々は、どんなに小さな作品でも、それを受け取り、考慮します。単に数行の文章だけでも、作品タイトルだけでもいい。形式はまったくの自由です。ただ、わずかな言葉、説明でも私たちには大切なので、ぜひノートを一緒につけてほしいと思います。
 
ただ「提出する」ということ
 
吉田  作品のアピール方法について、ポイントはありますか?
 
レジ  それについて、私から監督に言えるアドバイスはありません。
なぜなら、作品を作るのは監督であり、作品について私たちに教えてくれるのが監督だからです。
 
カンヌに出品したいと考えている一部のプロデューサーや監督には、「監督週間が選定を約束してくれる“何か”がある」と思い込んでいる人がいます。ですが、そんなものはありませんし、必ずカンヌに行けるマジックを知る方法も有りません。
 
作品にセールスエージェントがついていなければいけないとか、フランス人の共同プロデューサーが必要だとか、ワークショップに参加した経験が必須だとか…。これらはすべて間違った情報です。いま挙げた条件を満たしているかどうかはまったく問題になりませんし、プロデューサーなしで監督がたった一人で撮影した映画でも構いません。
 
ただ「提出する」。
それだけでいいのです。
 
吉田  まさに、 “競争のないセレクション”というスピリットを持つ「カンヌ監督週間」ならではですね。
 
レジ  私が言えるただひとつのアドバイスは、「優れた映画を作る努力をしなさい」というだけです。
 
大切なのは映画学校を作ることではありません。
できるだけ多くの映画を見ること。異なるジャンルの映画を見る、異なる時代の映画を見る。
これが、私たちが映画について学ぶことのすべてです。
 
吉田  冒頭、“新たな才能を発見する”こともカンヌ監督週間の大きな存在意義だとおっしゃっていますが、具体的にはどのような才能を持っている監督を発見したいのでしょう?
 
レジ  エネルギー、作家性、provocation(挑発、触発、刺激)、文体のリズム。強力なフレーミングのセンスはもちろん、力強い感情も大切です。
 

映画製作に最も大事なことは編集

北野 武監督が語った言葉とは。
 
レジ  ここまで何度か語ってきたように、映画言語…脚本も重要ですね。そして、映画制作において最も重要な作業は“編集です”。
 
映画編集について考えるとき、私は北野武監督が語った言葉を思い出します。
もう、ずいぶん前のインタビュー記事で読んだのですが、彼は「いつかこんな映画を作りたい」と話していたことがあります。
 
「撮影を終え、編集テーブルの前に座り、撮影したシーンの順番を考えずにすべてミックスする」
 
何をいっているかわかりますか? 撮り終えたシーンをまったく異なる順番にしてみたいと言っているんです。そこから新しい何かを見つけるためにです。これは真実だと思います。
 
“編集”こそが何よりも大切であり、そこから言葉を使って文章を築く。シーンを文章と同じように考えてつぎはぎし、自分のイメージと自分のサウンドで自己表現しようとする。
だから私は、いつも、いつも、いつも(強調)、映画がどのように編集されたかに注目しています。
 
吉田  この北野監督の話は、フランスの映画雑誌で知ったのですか?
 
レジ  はい。そうです。
確か『Dolls(2002)』の時のインタビュー記事だったと記憶しています。
 
最後に「私が映画を選択するときに何を求めているか?」という質問への答えですが、それは「長期的なコラボレーションを発展させられるか」「監督同士のコミュニケーションを改良できるか」という点で、日本の多くの映画監督、若い監督に期待しています。
 
日本の多くの監督とコミュニケーションをとりたい
 
レジ  2023年は、東京が「カンヌ監督週間」を歓迎してくれました。私たちも、日本の多くの映画監督、とくに若い監督にこうしたことを期待しています。
 
監督週間で私が開催国を訪れることは、私が何をしようとしているかを説明する手段であり、その国の監督と直接話をする手段でもあります。
 
ですから、「カンヌ監督週間」について知りたいこと。どのようにしてはじまったのか、私が何を探しているのか、どのようにプロセスが進んで行くのか、を知りたければ、直接私に聞きに来てほしい。
日本の監督のなかには、英語が苦手な人がいることも知っていますし、会話は特にとても複雑な内容になることもあるでしょう。ですが、私が日本を訪れるのは、日本の映画監督たちに直接会いに来てもらいたいからなのです。
 
「カンヌ監督週間」は、アーティステック・ディレクターが旅をして、映画監督に直接会う映画祭です。どうぞ、私とコミュニケーションを取ることにトライしてください。
 


 


 
※このインタビューは2023年12月「カンヌ監督週間 in Tokio」開催時の来日中に行われました。

 
 
 

平井敦士監督の特別インタビューはこちら

 

 
 

「カンヌ監督週間 in Tokio」開催報告はこちら

 
 

Julien Rejl(ジュリアン・レジ)氏
  • ヨーロッパのビジネススクールESCP-EAPを卒業後、La Femis映画学校で修士号を取得。2010 年からカプリーチ・フィルム社のディストリビューション部門のヘッドとして従事。セールス部門のマネジメントも担当。2023年6月より「カンヌ映画祭」のセレクション部門「カンヌ監督週間」のアーティスティックディレクターに就任。


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