平成21年度事業報告

(平成21年4月1日から平成22年10月31日まで)

1.事業の経過

平成21年6月16日におきまして開催いたしました、平成21年度通常総会でご承認いただいた今年度の事業計画書、会計収支予算書に基づき、人材育成支援、内外の市場開拓等に関する事業を実施しております。具体的には、3年目のJAPAN国際コンテンツフェスティバル(コ・フェスタ)の運営、短編映画作品製作による若手映画作家の育成事業、アジアにおける日本映画上映事業、VIPOの政策検討委員会の開催等を、関係省庁、団体、教育機関と連携し取り組んでおります。

2.主な事業の実施状況

概算総事業費 8億4000万円(税込)

(1) 人材育成事業

  1. インターンシップの実施 自主事業
    • 一昨年までは、経産省より受託事業として実施致しておりましたインターンシップを昨年度より自主事業として、実施しております。本年度は、受入企業4社、参加学生6名にて実施致しました。
  2. 短編映画作品製作による若手映画作家の育成 文化庁 1億2千万円
    • 4月1日から
      在野の優れた若手映画作家の発掘と育成を目指し、平成18年から実施している本事業を、今年度も、映像関連団体等より有望な若手作家の推薦を受け、各団体との協力のもと「若手映画作家育成プロジェクト2009(ndjc2009)」として実施いたしました。15名が参加したワークショップ(7月26日~8月9日)を経て、5名の作家が、35mmフィルムでの撮影を必須とした製作実地研修を行い、30分の短編映画5作品を完成させました。東京、大阪、札幌で合評上映会を開催し、多方面の方々より講評をいただきました。また、これまでに完成しています18作品(18年度:8作品、19年度:5作品、20年度:5作品)についても上映機会の提供活動を行いました。
  3. コンテンツ業界を目指す学生に対しての就職セミナーの実施 自主事業 50万円
    • 東京地区 9月27日、10月10日、11日開催
      大阪地区 10月27日、28日開催
      自主事業として、実施4年目となる業界就職セミナーを、本年度は東京だけでなく大阪地区でも開催致しました。
      例年東京のみの開催のため、関西地区での開催を要望されておりましたが、本年度は場所、日程等開催に適した設定ができ、初めて関西地区で実施を致しました。
      参加企業は東京22社、大阪18社、参加学生は東京3,000名、大阪2,400名が参加し、大変好評の内に終了致しました。
  4. 京都映画・映像企画市 京都府 90万円
    • 2月13日、14日
      映画のまち・太秦のPRと若手人材育成を目的として、公開の場で若手の映画・映像人材が企画のプレゼンテーションをし、有識者が評価をする「京都映画・映像企画市」を開催しました。14日は、松竹京都撮影所、東映京都撮影所および東映太秦映画村の見学会を開催しました。参加約100名。同時に「映画・映像人材エキスパートミーティング」とあわせて、京都事務所開所式を実施し、京都事務所のPRを行いました。
  5. シナリオアナリストセミナー 自主事業
    • VIPO初めての有料セミナーとして、「シナリオアナリストセミナー」を10月1日よりスタートしました。
      セミナー募集定員20名に対して、受講者20名と好評の内にスタート致しました。
      課題提出者を審査し、9名をシナリオアナリストとして認定を致しました。

(2) 国内・国際市場整備

  1. JAPAN国際コンテンツフェスティバル(コ・フェスタ)の運営
    平成21年度コンテンツ国際取引市場強化事業 経済産業省 2億8400万円
    • 開催期間:9月24日から10月28日、契約期間:4月1日から3月31日
      日本発のコンテンツを広く海外にアピールし、コンテンツ産業の国際取引市場を強化することを目的に実施。一昨年、昨年に続き運営はJAPAN国際コンテンツフェスティバル実行委員会(実行委員長/大谷信義氏 エクゼクティブ・プロデューサー/重延 浩氏)を設立し、当機構内に実行本部を組織致しました。実行本部では最大14名のスタッフで、コ・フェスタ全体の総合マネージメントをはじめ、今年もオフィシャルイベント・パートナーイベントがさらに連携し相乗効果を生み出すよう分野横断的「オリジナルイベント」として、9月29日のグランドセレモニー(帝国ホテル 約800名出席)、の他「CoFesta私塾2009(9月26日から10月24日)」、「劇的3時間SHOW(10月5日から26日2500名)」、「アジア・コンテンツ・ビジネスサミット2009(10月15・16日 224人)」、「CoFestaまつりin上野&秋葉原」(10月24日 2500人)」、「浅草藤村忠寿大集会(10月27日 950人)」の企画・制作・運営を行いました。また、「CoFesta on Subway」としてコ・フェスタ期間中、東京メトロの協力を得て、浅草と渋谷を結ぶ東京メトロ銀座線で、9月29日から10月27日までの約1 カ月間、銀座線1編成を使用して、コ・フェスタ2009の告知展開を実施しました。
      35日間の期間中開催された18のオフィシャルイベント、10のパートナーイベント、6のオリジナルイベントを合わせ昨年の80万人を大幅に超える100万人以上の参加がありコ・フェスタの存在を内外に印象付けることができました。
      これに加えて、今年度は、総合的日本ブランド発信イベントとしての機能をさらに拡充・強化し、海外で行われるイベントへの展開も図り、7月には、フランス・パリで開催された、世界最大規模の日本のポップカルチャーイベント「JAPAN EXPO」へ出展し、延べ16万人以上の来場者に大好評を博しました。また、併せて、CoFesta2009の第1回の記者会見を会場内で実施、さらに、パリ日本文化会館において、日仏のコンテンツ、メディア関係者の交流を促進するためのレセプションを実施しました。
  2. JAPAN国際コンテンツフェスティバル(コ・フェスタ)にかかるソフトパワー海外展開促進事業
    平成21年度創造産業国際展開支援事業 経済産業省 3億6000万円

    10月23日から3月31日
    • (a) コ・フェスタの海外展開事業
      7月の「JAPAN EXPO2009」に続き11月にシンガポールで5万人強を集め開催されたBtoCイベントである「Anime Festival Asia2009」にブース出展、シンガポールを中心としたアジアの人々に日本コンテンツの今を紹介しました。また、3月11日(木)~14日(日)に、ブラジル・サンパウロにおいて海外における初のコ・フェスタ単独でのイベ ント「コ・フェスタ in ブラジル」を開催しました。初日のビジネスデーでは、プレスカンファレンスや日本とブラジルのビジネス関係者を対象とした意見交換会、また一般公開日では、アニメ・マンガ・ゲーム・音楽等の日本の最新コンテンツおよびコンテンツと親和性の高い最新ハイテク機器等の紹介・展示を行うとともに、商談会を実施しました。3月22(月)~25(木)には、オフィシャルイベントであるTIFFCOMと連携してHongKong FILMARTにブース出展し、コ・フェスタイベントの紹介や、コンテンツ関係者とのミーティングを行いました。
    • (b) ソフトパワー海外展開にかかる調査事業
      ソフトパワーの海外展開事業を効果的なものにするため、各種調査事業を行いました。「アニメ収益調査」として、アニメーションの海外での販売モデル・収益構造を調査し収益性の検証や新しいビジネスモデルの提案、また「完成保証の導入に係る課題調査」として我が国に完成保証制度を導入する際の問題点や海外でのファンド・誘致に対する援助の調査。「国内外メディア・コンテンツ業界の競争力分析調査」として、国内外のメディア・エンタテインメント・コンテンツ業界の分析と海外のM&A戦略などを分析。「出版にかかわる調査」として、出版業界の新たなビジネスモデルを提案するための出版産業の抱える諸問題に対しての調査等を行いました。
  3. コンテンツポータルサイトの運営 コンテンツポータルサイト運営協議会会費 1,300万円
    • 日本のコンテンツに係る基本情報を内外に向けて発信するためのポータルサイトを、平成19年6月より、コンテンツポータルサイト運営協議会から委託を受け事務局を担当しております。
      国内外の一般消費者に向けた情報発信を強化し、ジャパン・コンテンツのブランドイメージの強化につなげていく予定です。
      (年次総会6月22日開催、正会員24社、賛助会員6社(3月31日現在、主査:日本写真家著作権協会常務理事 瀬尾 太一氏))
  4. 京都フィルムコミッション推進事業 京都府 1,000万円
    • 8月14日から3月31日
      京都にある二つの映画スタジオをはじめとする、多様な映像資源を活用し、映画・映像制作の誘致を促進することや、「ロケ誘致連絡協議会」を設置するなどを目的に活動しました。また、国内外の関連行事に参加するなど、制作誘致のために必要となる情報の収集、及び広報ツールを作成し、情報発信を行っています。
  5. アジアにおける日本映画上映事業 文化庁 5,000万円
    • (a)11月11日から15日、韓国ソウル(メガボックスCOEX)にて開催しました。
      第6回となる日本映画韓国上映は「日本映画:情熱の時代」をテーマに日本映画16作品を選定、オープニングに大森寿美男監督作品「風が強く吹いている」を上映致しました。また、特集上映としては、日本映画の特色の一つである「シリーズ映画」の中から、「平成ガメラ」シリーズと「岸和田少年愚連隊シリーズ」の各3本、計6本を上映しました。大森監督、「平成ガメラシリーズ」の金子修介監督を含め期間中9名の監督が訪韓し、舞台挨拶及び観客との交流会を実施しました。5日間で約3500人の観客が訪れました。また15日には金子監督、韓国からはリュウ・スンワン監督とミュージシャンのホラン氏をゲストにお招きして、シンポジウム「"情熱"は映画のキーワード!?」も開催致しました。
    • (b)1月15日から17日、トルコ、イスタンブール(Cinebonus Maçka G-mall)にて、「2010年トルコにおける日本年」を記念して「日本映画祭ニューシネマ2010」を開催しました。
      オープニング作品「ディア・ドクター」他、平成17年から21年にかけて製作、公開された現代日本映画の秀作の中から計7本を上映し、3日間で約1500人の観客が訪れました。15日の開幕式には「ディア・ドクター」の西川美和監督を招聘し、開幕上映後、日本とトルコの関係者を招いたレセプションを開催致しました。
  6. 釜山国際映画祭でのジャパンレセプション 文化庁 180万円
    • 10月12日実施
      10月8日に開幕した第14回釜山国際映画祭会期中10月12日に文化庁・ユニジャパン・VIPOの共催によるジャパンレセプションを釜山海雲台パラダイスホテル内クリスタルルームにて開催し、日韓をはじめ世界各国映画関係者約350名が参加しました。また、公式上映された日本映画の監督、俳優が紹介されました。

(3)普及・啓発

  1. 歴史的音盤SP盤アーカイブの実施 歴史的音盤アーカイブ推進協議会
    • 日本の近代史を語る上で欠くことのできない音声を後世に伝えるために設立された歴史的音盤アーカイブ推進協議会(HiRAC)に参画、デジタルコンテンツの記録、保存事業に寄与しております。(年次総会6月17日開催、今年度から会計担当を社団法人日本レコード協会へ移管)
  2. ② 田辺・弁慶映画祭プレイベントシンポジウムの開催 大阪市難波市民学習センター
    • 9月30日
      大阪事務所および京都事務所で、「元気UP大阪・未来の大阪を考えよう ~映画産業からみる地域創造の可能性~」と題し、大阪を舞台にした映画の魅力を語るとともに、映画産業の中心地としての大阪のあるべき姿、地域の活性化へと導くための方向性について議論するシンポジウムを、田辺・弁慶映画祭のプレイベントとして開催しました。

(4) 海外の同様の機関との連携・交流に係る事業

  1. 韓国KOCCAとの業務提携
    • 5月8日
      韓国コンテンツ振興院(KOCCA)主催による「Korea Drama Original Sound Festival2009」於、ウェルシティ(旧新宿厚生年金会館)の後援協力を行いました。
      6月1日から5日
      韓国コンテンツ振興院(KOCCA)と共同で、今後の日韓映像ビジネス発展のため相互理解を目的としたセミナー「日本放送映像コンテンツグローバルマーケティングセミナー」を開催し、韓国放送局及び番組プロダクション、ニューメディア、コンテンツ制作社等の関係者24名が来日し交流を深めました。
      10月27日
      統廃合され新組織となった韓国コンテンツ振興院(KOCCA)のソウル市内ニューオフィスを訪問し、チェ・ヨンホ副委員長と意見交換を行いました。
  2. 韓国KOFICとの業務提携
    • 7月14日から17日
      韓国映画振興委員会(KOFIC)主催、経済産業省、ユニジャパンとの共催で、日韓共同製作に向けた企画開発ワークショップ「日韓ビジネスキャンパス2009in済州島」を開催し、日韓共同製作を企画中の日韓のプロデューサー各5名が参加し、企画開発を進めるとともに交流を深めました。参加プロデューサーは各々の企画を発表し、日韓のアドバイザー(プロデューサー)との個別ミーティングでは、企画の実現に向けてのアドバイスを受けました。また、日韓アドバイザーによるセミナーでは、日韓共同製作の経験談を聞くなどして両国の製作環境の違いについての理解を深めました。

(5) その他の事業

  1. AFI(American Film Institute)への留学斡旋の実施
    • AFIへの留学希望者募集及び、情報提供を当機構ホームページにて実施致しました。
      本年度は、上記事業にAFIの紹介ページを当機構ホームページに展開することを計画中であります。
  2. VIPOホームページの運営
    • 今期については、昨年度の約2倍となる70件の更新頻度で情報提供を実施した。特に平成20年9月の全面刷新後に再開されたサイト内インタビューにおいて、メンバーページでは会員社、公開ページではプロデューサー、クリエイターということで、会員向け、一般向けで内容の差別化を図りつつ、コンテンツ業界の方にご登場頂いたり、3D撮影現場レポートをいち早く掲載し、業界の方から好評を頂いた。また、政策検討委員会ページ、シナリオアナリスト、AFIなどの特設ページもオープン予定など、さらなる内容の充実に努めた。

(6) 組織運営

  1. 京都事務所
    • 6月16日の総会で、京都事務所新設の承認を受け、7月に開設いたしました。そして、京都府と、京都フィルムコミッション推進事業の契約を締結し、現在その事業等に取り組んでおります。
  2. 会員
    • (a)退会
      ジャパン・デジタル・コンテンツ信託株式会社、株式会社東宝映画、株式会社プラザクリエイト、岡島興業株式会社、ジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメントジャパン合同会社、NPO法人北海道映像産業振興連盟、讀賣テレビ放送株式会社、株式会社ADEKA、千葉県興行生活衛生同業組合、株式会社ベネッセコーポレーション、株式会社ワオ・コーポレーション、大成建設株式会社、トーキーマジック株式会社、株式会社ゴンゾ 個人3名 以上17
    • (b)入会
      株式会社コーエー、社団法人全日本テレビ番組製作社連盟、株式会社手塚プロダクション、株式会社カプコン、ブロードメディア・スタジオ株式会社、株式会社クオラス 以上 6
    • (c) 5月25日現在の状況
      ・会員数:法人会員100社、賛助会員13社、個人会員14人
      ・会費入金額:5,015万円(昨年度最終5,597万円)
  3. 通常総会、理事会、幹事理事会の開催
    • (a) 総会
      通常総会 6月16日
    • (b) 理事会
      第11回理事会 6月1日
      第12回理事会 11月30日
    • (c)幹事理事会
      第11幹事理事会 6月1日
      第12幹事理事会 11月30日
      第13幹事理事会 3月29日
  4. 政策検討委員会 本会、各分科会
    • 本年度の政策検討委員会は、旧年度の4つの分科会を、本会と2つの分科会(「人材育成」、「正規流通」)に組織修正をした後、過年度からの継続的課題に取り組んでいます。
      • (a)本会
        第1回 9月4日、第2回 10月5日、第3回 11月5日、第4回 12月7日、第5回 1月18日、第6回 2月19日
        WGミーティング 第1回 4月26日、第2回 5月11日、第3回 6月8日
        コンテンツ業界の振興を図るために必要な視点や大儀名分等、公正な振興体制のあり方について、議論を進めております。これは過年度から課題になっている、長期的な視点になった「文化産業戦略」の構築へ向けて積極的に議論を実施しておりその結果、税制・会計制度等へ踏み込み議論を進めることを、次年度への課題と致しました。
      • (b)人材育成分科会
        第1回 7月27日、第2回 9月8日、第3回 11月17日、第4回 12月21日
        第5回 1月20日、第6回 3月3日
        VIPOが行うべきコンテンツ業界の人材育成事業を検討しております。特にこの分野で働く人たちがその能力を最大限発揮できる環境と仕組を作り、将来の人材を育成することを検討致しております。
        また、シナリオアナリストセミナーに続く人材育成基盤セミナー第2弾「キャラクターメイキング&アナリストセミナー」を3月23日に実施致しました。
      • (c)正規流通分科会
        第1回 7月23日、第2回 9月1日、第3回 10月6日、第4回 11月4日、第5回 12月2日、第6回 2月2日、第7回 3月2日
        昨年度の違法流通分科会とブロードバンド分科会を統合した分科会であり、各業界で問題となっている違法流通への対応及びブロードバンド・ネットワークを利用したコンテンツ流通について検討を行ってまいりました。結果、啓発活動の具体策、コンテンツ流通促進策等についての提言を行うこととなりました。

活動報告